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ボクサーなら必ず読め!マイノリティーの拳が面白過ぎる!

マイノリティーの拳

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現役でボクシングをやっている人、プロのボクサーを目指そうと決意している人、ボクシングという競技に少しでも関わったことのある方々にぜひ読んでもらいたい一冊です。

ボクシングという競技の奥深さが分かります。

マイノリティ・・少数派と訳されるこの単語は一部のアメリカ社会では「社会的弱者」を差します。

日本のハングリー精神と呼ばれるものとはかけ離れた「ハングリー」がそこにはある。

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金が無い世界チャンピオン

世界チャンピオンなのに金がない・・。

わたしも世界チャンピオンと呼ばれる人物に何人かは会いましたが、日本で世界チャンピオンになるとそれなりの生活は約束されます。

ですがアメリカでは違います。

3階級を制覇したチャンピオンですら「金が無い」現実があります。

これを聴いたときは耳を疑いました。

日本で三階級も制覇すればスーパーチャンピオンです。

下手をしない限り、お金の面では苦労することはないと言えます。

世界チャンピオンになってもニュースにならない国

ボクシングの本場、アメリカ合衆国で「世界チャンピオン誕生」はそれほど大きなニュースではないのです。

だから一本のベルトでは満足せずに統一チャンピオンを目指すのです。

日本では世界チャンピオンになったときから人生が大きく変わります。

ボクシングジムの運営がしっかりしていれば後援会を回るだけお金が舞い込んできます。

それに、何をやるにも世界チャンピオンという肩書があればなんとか生きていける。

ですが、アメリカという大国では話題にならない。

“話題にならない”というのはお金にならないということ。

あれだけの広い国になるとスター性のある選手にしか世界チャンピオンでも注目されないのです。

人種差別という敵

彼ら「マイノリティ」の敵は目の前にいる相手だけではない。

「人種差別という大きな敵」「ボクサーを労働者として搾取するプロモーター」

アメリカの社会の根底に潜む人としてのプライドがマイノリティの勝利の前に立ち塞がります。

法律で黒人が白人に席を譲らなければならないという人権を無視した時代の世界で、生きていくために強くならなければならない。

真の王者 世界チャンピオンに求められるもの

貧民外で生まれ、犯罪の中で育ち人種差別の中を生き抜くため拳に運命をかける。

肉体的な強さを手に入れた世界の頂点にたった男たちに求められるもの。

それは知性。

野性味のあるボクサーというのは魅力だが、チャンピオンになるにはインテリジェンスも不可欠なんだ。

元世界ライトヘビー級チャンピオンのホセ・トーレスが語った言葉が非常に印象的でした。

世界チャンピオンになる過程で精神的にも成長した選手とそうでない選手では雲泥の差が出るのが社会です。

強さだけを求めた結果、彼らは一般の労働者同様に搾取の対象でしかない存在になってしまった。

いまなお、本場アメリカのボクシングの世界はそういったマイノリティたちがうごめいている。

「成長と成功は違う」という言葉を為末大さんの著書から得ること出来ましたが、精神的な成長なくしてはまた成功もないという暗黙のルールが社会にあることをこの著書は教えてくれる。

自分が変わること。

自分で変わろうとすること。

それが全ての始まりなのだと改めて思い知らされます。

非常に面白い本でした。

ボクシングに関わったことのあるかたには、ぜひ一読してもらいた一冊です。

マイノリティーの拳: 世界チャンピオンの光と闇 (新潮文庫)
林 壮一
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さなすけ

会社経営、個人事業主。 妻と子とサスケ(オカメインコ)とクロムハーツを愛し、筋トレに目覚めたブロガーです。

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