白黒の世界に「色」つける。村上春樹さんの著書にみる性描写について

投稿日:2014年5月25日 更新日:

女のいない男たち 著者 村上春樹
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村上春樹さんの著書「おんなのいない男たち」を読ませてもらいました。

個人的には短編よりも長編が好きなのですが、良い意味で期待を裏切られ大変面白かったです。

ここから書く文章には少しばかり内容を示唆する文脈が出てくる可能性がありますので、真っ白なままで読みたい方は読まずにスルーしてください。

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1Q84 村上春樹

村上春樹さんが僕を本の世界に引きずり込む点は何と言ってもズレ感なんです。

微妙なズレ。

「あれ、別世界に片足突っ込んでる??」という違和感。

現実世界から精神世界へのズレ。

ズレと言っても完璧に違う世界を行き来するわけじゃなくて、半身だけ違う世界にいるという違和感。

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」なんかは、夢という現象を用いて別世界を行き来していましたが夢は現実世界に違和感を持たせました。

村上春樹の文庫本多数

普通の生活からどことなく違和感を感じさせ、そして徐々にズレ出す。

半身は現実で半身は精神世界を保ったままの同時進行。

これが心をワクワクさせます。

いつからから精神世界が現実と同一化し、同じ時間軸で動き出していく。

そして「どこからこの精神世界は始まったのだろう?」という問いが始まる。

この現実と精神世界が混ざり合う世界を、より現実足らしめることによって不思議さが増長していくのだと思います。

その現実世界の確かさと精神世界の夢想性にリアリティを与えるのが「性描写」なのです。

村上春樹さんの作品に於いては、ほとんど「性描写」が使われています。

リアリティがある。

文章を読むだけでグッとくる。

なによりメタファーとしての意味合いも強いのでしょうが、僕は「性的表現」がより物語に現実味と人間味を帯びさせ、不思議な感覚を増長させていると思います。

ミステリアスな出来事はより深淵に近づき、現実的な部分はより明確になる。

全ての出来事に作用する表現が性的な表現なのだと私は感じます。

人間の「性」の本能は易々とは表に出せないけど誰しもが持っている部分。

皆さんも人前で本当の性生活なんて話すことは出来ないと思います。

自分の性癖を人に話さないでしょう。

それは自分だけにしか分からない世界。

性描写を事細かく描く事で、描かれる物語に「色」を着ける作業なのだと思います。

そう性的表現。

性とは色を着けること。

白と黒の物語に色がつきより現実味と不思議さを増長させる。

性と色。

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