あけましておめでとうございます。
本年一発目の記事は年末に書いたフロイドメイウェザーと那須川天心選手の試合続編です。
先に謝ります。
「勝機がある」と言いましたが・・
ゴメンナサイ!申し訳ございませんでした!
蓋を開けてみれば、格段の実力差でした。
ここをご覧の皆さんも言いたいことはいっぱいあると思いますが、一つずつ潰していきましょう。
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メイウェザーの圧勝
結果から見ると、メイウェザーの圧勝でした。
メイウェザーが本気なら、那須川選手は選手生命が危うかったと思わせるほどの試合内容でした。
試合が決まったときに皆が思った通りの結果に終わった。というところが正しいと思います。
試合当日、お昼は叙々苑で焼肉を食べ、ヴェルサーチでお買い物をし、その後は富士山に行きたいと言っていたみたい。
富士山は流石に間に合わないと関係者に止められて、試合会場入りは二時間遅れとなった。
ゴング開始後は軽く距離を測る
リング上で向かいあう二人の体格差をみて「メイウェザーでけえ」と思わず口走ってしまった。
身長差というより、サイズがデカい。
骨格が那須川選手とは違いました。
それもそのはず、メイウェザーはスーパーウェルター級(69.85kg以下)の世界タイトルのチャンピオンなのです。
一方の那須川選手は55kgぐらいから、重くても60kgで試合をしてきた選手です。
骨格の差はあまりにも大きかった。
現役時代からメイウェザーの試合を見ていた方は、メイウェザーを小さく感じていた人も多いと思いますが那須川選手と向かい合ったメイウェザーは大きかった。
1ラウンドゴングがなると、歓声の中で静かに試合は始まりました。
序盤は軽くジャブを出すメイウェザー。
いや、ジャブというより軽く腕を伸ばすと言った感じです。
海外のランキングボクサーが相手に向かって軽く腕を伸ばしていますが、あれは相手との距離を測っています。
そうする事でヒットポイントでパンチを当て易くし、相手と絡まることが少なくなります。
C級(4回戦)ボクサーが相手と絡まることが多いのは、距離を考えずに頭から突っ込んでいくからです。
基本的にジャブで距離を測りますが、ジャブを打たない場合は先述した様に腕を伸ばして測ります。
メイウェザー選手が距離を保ってきた時点で距離感は掴めています。
那須川選手との距離を取り遊びます。
そして、笑みを浮かべながらジリジリと間合いを詰めていきます。
しかし、那須川選手のフェイントをかけるとメイウェザーは全て反応していた。
あの俊敏な動きは流石です。
那須川選手の左カウンターがメイウェザーの動きを変える
距離を詰めながら、軽くパンチを出すメイウェザー。
そして、メイウェザーの右ストレートに合わせ、タイミング良く那須川選手が左カウンターを合わせます。
当たったように見えたので会場はどよめきました。
しかし、顔を左側に向けることにより打撃を回避しています。
スリッピングアウェーという技術です。
当たってなかった... pic.twitter.com/hL6Yl28fYL
— あっきー (@zero123456789) 2018年12月31日
元WBC世界スーパーフライ級王者(6度防衛)の川島 郭志(かわしま ひろし、1970年3月27日 - )さんが得意としていたディフェンス技術です。
那須天心選手も「はじめの一歩」で習得した。と言ってましたがメイのパンチはノーモーションなので対応できなかったようです。
メイウェザーのスリッピングアウェイ場合、これは瞬発力とかそういった類のものじゃないでしょう。
常に相手の攻撃に備え、反応する身体に仕上がっているというか身体能力の違いがわかりました。
陸上ハードルのオリンピックメダリストの為末大さんが、生でカールルイスの走りを目の当たりにして
「自分の延長線上に、カール・ルイスがいる気がまったくしない。
僕がいくらがんばっても、カール・ルイスにはなれなかっただろう」と語っていましたが、練習でどうこうなる問題ではないです。
騒がれたら恥ずかしい
当たってはいませんが、会場がどよめきます。
その瞬間からメイウェザーの戦い方は変わりました。
ほら、大したことないのに騒がれたら恥ずかしいじゃないですか。
あーっ当たったーっ!うわーっ!!となると、メイウェザーからしたら当たってないし歓声で調子付かせても困ります。
ガードをガッチリ固め一気にプレッシャーをかけ倒しに行きます。
大きいボディへのパンチのあとにノーモーションからの左フック。
テンプルにヒットし脳が揺さぶられた那須川選手は足下がふらふらです。
一方的な試合展開です。
その後もガードはガッチリと固めて一気に前に出て行きます。
那須川選手はタイミングを取るのが上手いです。
下手に前に出ればまたカウンターを合わせてくるかもしれない。
いくら階級が低いとはいえ、8オンスのグローブで殴られると口の中が切れたり腫れが残る可能性は十分にある。
戦った痕跡を残されることすらメイウェザーにとっては「許せない」と思う。
試合後にチキンを食ったときに痛みとともに那須川選手を思い出すことすらない。
終わってみれば子供と大人ほどの差を感じた試合内容でした。
体格差とグローブ
今回のエキシビションマッチでは二人の体格差を考慮して、グローブハンデが設けられました。
メイウェザーが10オンス、那須川選手が8オンスです。
オンスとは重さのことで、メイウェザーの方がクッション性を考慮し大きいグローブを着けて戦ったという事です。
もともとウェルター級では10オンスが用いられているのでメイウェザーにとっては普段と同じでしょう。
一方の那須川選手は8オンスのグローブです。
今回の試合を見る限りでは、グローブハンデぐらいじゃお互いの差は埋まりませんでした。
しかし、当初はメイウェザーも8オンスを使う予定でした。
いまから考えると、もしメイウェザーが8オンスのグローブを使っていたら那須川選手は危険な状態だったでしょう。
キックを出していたら那須川選手は勝っていたか?
試合前まではキックを出せば那須川選手が楽勝だろうと予想していましたが、あの試合内容ではキック有りの方がメイウェザーは速攻で倒しにいっていたでしょう。
ただ、キック有りならエキシビションであろうと絶対に試合を受けないでしょう。
メイウェザーはエンターテインメントとしてエキシビションを考えている。
怪我をするような事は絶対にしない。
この地位を築くまでメイウェザーはハードな状況にも耐えてきたと語っています。
これからはビジネスとしてエキシビションに参加していく感じですね。
今回の試合は那須川天心選手が望んだ試合と聞きました。
コナーマクレガーとの一戦を見ていても「いけそうだ」と言ってましたが・・・
自分の強さを分かっていなかったのでしょう。
今回のメイウェザー戦を前にアメリカで公開練習をしたメイウェザーの父はこう話しています。
あれじゃエキジビションでもやられちまうよ。
まちがいない。
ヤツをどう思うかって?
一方的にやられるとおもう。
すぐにだ。
僕たちは周囲の煽りで盲目になっていました。
そして、メイウェザーの那須川天心を舐めきった態度を見て「ひょっとすると勝てるかも」と思いました。
しかし、メイウェザーが本心から天心選手を舐めていたら「キック有り」もOKしていたでしょう。
メイウェザーが那須川天心を舐めていたのではなく、那須川サイド、ライジン運営、そして我々がメイウェザーを舐めていたのです。
メイウェザーは那須川選手を舐めるどころか、ジムで身体を動かしエキシビションマッチのルールを指定した。
どうあがいても自分が勝つようにメイウェザーはプランを立てていた。
格闘技はエンターテインメント
メイウェザーは試合会場に遅れてきたり、暴言を吐いたり、そのように振舞うことで試合を盛り上げるのです。
決して本心からそのような行動をしているのではない。
でなければ50戦50勝5階級制覇なんて成し遂げられません。
試合前から舌戦があった方がそりゃ殴り合いは面白い。
そういう意味では亀田家はエンターテインメントとしてボクシングを捉えていたのかも知れません。
盛り上がらない格闘技
現在、日本の総合格闘技界に魔裟斗選手や山本キッド選手の様なカリスマ性のあるような選手が存在しません。
なので魔裟斗選手が五味選手と試合をしたりするのです。
また、外国人ファイターにしてもプライド全盛の頃のようなヒョードやミルコ、中重量級のヴァンダレイシウバ選手のような花のある選手がいないのが現状です。
そりゃメイウェザーは花があります。
正直言ってライジンのリングに立ったときは鳥肌が立ちましたよ。
イベントは盛り上がったかも知れませんが、これでは那須川選手はライジンの生贄です。
「これは敗戦ではない」と言われても、自分よりも倍以上歳が離れた選手、しかも引退したボクサーに歯が立たなかった那須川選手は傷付いたと思います。
この一戦が彼にとって飛躍のための試合になるようにこれからの試合に挑んでもらいたいです。
そして、天心選手のお父さんはマッチメイクを重要視しましょう。
僕は試合後に「メイウェザーありがとう!」と叫んでいた高田延彦氏の声が耳に貼りついている。
画像は以下の動画からのキャプションです。TMT!