世の中には沢山の格闘技が存在します。
武術と呼ばれる空手・柔道・合気道や剣道から古代ギリシャから続くボクシング、カポエラやテコンドー。
ボクシングに足技を加えたキックボクシングやムエタイ。
そのすべてを寛容にした総合格闘技(MMA)
※MMAはMixed Martial Artsの略で「混合格闘技」の意味があります。
数多くのルールがあり、形態ある。
各格闘技にはその世界で最強(一番強い人間)が存在し、他のルール上の最強と闘わせようとする試合もある。
スポンサーリンク
異種格闘技
ルールの壁を飛び越えて、戦わせようとする格闘技が存在する。
異種格闘技マッチがそれに当たります。
各格闘技団体の強者同士が戦うのですが、これが凡戦になる傾向が強かった。
例えば、ボクサーのモハメド・アリとプロレスラーのアントニオ猪木氏。
アントニオ猪木氏はアリのパンチを警戒し仰向けに寝転んでアリの足下へ攻撃をした。
有名なアリキックがあります。
試合を見る限りそこに「本気」は存在しないし、もしやったとしてもモハメド・アリがボクシングルールで猪木氏がプロレス(総合?)ルールでやると、タックルで刈られたアリが倒され寝技に持ち込まれたら圧倒的不利になる。
格闘技が格闘技として成り立つには「厳格なルール」が必要なのです。
ルールがあるから試合として成り立つ
当たり前ですが「競技」としてお互いが「自分の力」以外の部分を公平にするからこそ格闘技は面白い。
フェアネスの上で力を競うから面白いのです。
競技を面白くするフェアネスを担保すのがルールなのです。
色々なルールを無視したものはケンカです。
刀でもピストルでも何でも持ってやり合えばいい。
打撃や寝技全ての格闘技を網羅する土壌で試合がしたいのであればMMAに挑戦すればいい。
パンチによる打撃の芸術が見たいのであればボクシング。
更に一発逆転が起こる脚の攻撃や肘打ち加えたものがキックボクシングやムエタイ。
このように各格闘技には使える技に制限があり、厳格なルールが存在する。
ルール無視では成り立たない世界
一方ではパンチにみによるボクシングの戦い方をして、もう一方はムエタイのルールを使えば、そりゃ肘打ち無しやキック無しのボクシングが弱くみえる。
となれば、剣道対ムエタイはどうだろう。
防具を付け竹刀を手にしたものとキックやパンチ肘うちで戦うムエタイ。
格闘技の醍醐味である、緊張と一瞬の駆け引きは当然緩む。
何度も言うが、格闘技はルールがあるから成立している。
だからお互いが「別のルール」で戦うのは無理があるのです。
もうその時点でルールはルールとして機能していません。
フロイド・メイウェザーと那須川天心戦でのルール
なんで、こんな話をするのかというと、先日のフロイド・メイウェザーと那須川天心選手の試合で
「もしキックを使っていればもっと良い勝負ができた」みたいな話を聞くんです。
メイウェザーが無敗のまま5階級制覇を成し遂げた伝説はボクシングでの功績なんですよ。
それに挑もうとお願いしている側が、なんでキックを使うのか?って話です。
キックを使いたいなら、キックボクシングのレジェンドと呼ばれる人と闘えばいい。
世界に知名度があり、お客が呼べるキックボクサーのレジェンドがいるのであれば。
ここのルールをぐちゃぐちゃにしちゃもう格闘技じゃないのです。
メイウェザーと那須川天心戦はビジネス
那須川選手とメイウェザー選手との試合ですが、じゃあ体重はどうなる。
グローブハンデはもっと差をつけるべきなんじゃ・・。
みたいな話は聞くんですけど、そんなことはライジンが契約したんだから仕方がない。
ライジンがイベントを成功させるためにメイウェザーに打診をしたんじゃないでしょうか。
その上での契約だとおもいますよ。
「那須川天心くんと10億でエキシビションさせて」!ってメイウェザー陣営がいいますか?
那須川天心選手のことをメイウェザー陣営は誰ひとりとして知らないんじゃないでしょうか。
ですので、試合が終わった後に「キックを使っていればもっといい勝負ができた。」なんていうのは無理な話なんですよ。
キックボクシングとボクシングって野球とソフトボール以上にフィールドが違います。
柔道の選手がメイウェザーと試合をしたい!といってメイウェザーが道着を着るんですか?って話です。
まとめ
試合を申し込んだ側が相手のルールでやればいい。
以上。