一生モノなんてない。
世の中に不変なモノは存在しない。
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あらゆる物質は秩序を保てず無秩序を膨らませ崩壊していく。
物質的には全てが朽ち果てていく方向に向かって、少しずつではあるが移動している。
これは間違いのない事実。人に限らず全てに共通する真理。
秩序ある姿から無秩序への階段を下りてゆく。
エントロピーの法則とまでは言わないけれど、僕達は、僕達の所有物は全て移動の途中にある。
そんな流れをエイジングと呼んでいる。
僕のエイジングログには同じような写真が掲載されているが、一週間前に掲載した革靴よりも現在の革靴の方があきらかに変化している。
全ての物質は移動の途中にあるんだ。
一生モノなんて存在しない。
だけど僕達はいう。
「これは一生モノだ」と。
不変性が保てるのは僕達の脳内だけだ。
意識がなんとか一生モノを作りだしている。
一生という概念の中で永久に存在するものなら沢山ある。
家族への思い、一緒に過ごすパートナーへの愛情。
娘たちへの両親への感謝の気持ち、友人たちへの敬愛。
その思いは不変の中で生きている。
CHROME HEARTSのアイテムがここまで愛されるのは、思想の中で生きる芸術性を帯びているから。
ボロボロになりながらもクローゼットなかで存在し、新しいアイテムと同化し息を吹き返す。
僕達が初めてCHROME HEARTSをみたときの衝撃はそういう人間の根本に突き刺さったから食指が動いた。
身の丈に合わない金を支払ってまで手に入れた。
不変の中にあるCHROME HEARTSを見つめていたから。
あと数十年もすればレザーパンツを履けなくなるだろう。
ハンティングジャケットに押しつぶされるだろう(笑)
だけど、僕が死ぬまでは横に置いておくし、子供たち、または孫達に受け継がれていく。
そうやって何年持つかは分からないけれど、意識があるうちにはCHROME HEARTSに命を与えていく。