僕がCHROME HEARTSの虜になったのは1枚のT-shirtからでした。
数千円のT-shirtが、その後に700万円を超える支出に繋がったと思うと恐ろしい。
入口のプレステージを下げた素晴らしいマーケティングです。
ちなみに当時(1992年頃?)のCHROME HEARTSのロンTは6800円でした。
僕が所有するコレクションを現在の価格で手に入れたのなら1000万円は超えているでしょう。
スポンサーリンク
進化したデザインと高騰した価格
この投稿をInstagramで見る
デザインではCHROME HEARTS(クロムハーツ)は劇的に進化した。
ヘッドデザイナーにRichard Starkの愛娘であるJesse Jo Starkが就任しいままでの世界観をぶち壊した。
また、Jesse Jo Starkと良き仲のMatt DiGiacomoもCHROME HEARTSのデザインに参戦。
JOE FOTIの様なコラボという立ち位置にあるのか分かりませんが、ラディカルなデザインに左フックをコメカミに食らった衝撃が走った。
僕の様に目の前がクラクラした古くからのCHROME HEARTSファンは多かったんじゃないでしょうか。
JOE FOTIのスカルがCHROME HEARTSから発表されたときも、良い意味で期待を裏切りCHROME HEARTSは独自の世界観を創っていった。
凡人は変化を恐れる
Jesse Jo StarkとMatt DiGiacomoが繰り出す新しいCHROME HEARTSのデザインは今までのCHROME HEARTSを一蹴するような衝撃と失望とそのどれでもない感情が混ざり合った混沌の中に導いた。
これが、並みの人間にはできない。
もし、あなたが今日からCHROME HEARTSのヘッドデザイナーを任命されたら、きっと今までのCHROME HEARTSを踏襲するデザインになるでしょう。
僕たちは混沌を恐れる。
生命の維持に変化の生活は必要不可欠。
自然界に生きるものはローテーションを好むのである。
自然界の動物たちは変化の中で絶滅していくから、毎日同じほど幸せを感じるようにできているのである。
人間は適者生存できたからこそ、食物連鎖の頂点に立てたのである。
生命の維持にかけ離れた混沌より凡庸を好む。
なにも考えずに行きる人にとっては凡庸こそ幸福。
進化もないが後退もない。という幻想の上に鎮座するとこのような錯覚のまま時間が過ぎる。
しかし、ファッションという世界に於いては凡庸は後退と同義。
前進をするのであれば、自ら変化し改革しイノベイティブを求める必要がある。
安価な頃のCHROME HEARTS
レザーやジュエリーなどは昔から高額なイメージが強く、実際に高額であったCHROME HEARTS。
しかし、T-shirt類などは比較的求めやすく上述しているが、LONGSleeveT-shirt(ロンティー)ですら6,800円だったので、他ブランドの方が高額だった。
スウェット類もキャンバーというアメリカのブランドがベースで、キャンバーにプリントしただけものがCHROME HEARTSのスウェットだったのです。
価格もお手頃で、僕が所有する初代スウェットパーカーは20,000円もしなかった。
もう23年も前の話なので、時代が違うといえばそれまでですが、それを加味しても現在の価格は以上というべきでしょう。
ちなみに、レザーアイテムに関してはほぼ倍以上の価格帯です。
ライダースジャケットは60万円程度でしたし、ハンティングジャケットは優待券が使えましたから。
高額値上げ!ブランドとして変貌した時期
価格が釣り上がっていったのは、2015年頃からです。
-
クロムハーツが値上した!価格改定後の値段はコレだ!!
当ブログのユーザーtaka様よりコメントにて、値上げ後の販売価格を一部教えて頂きましたのでここに共有したいと思います。 ...
レザーウエアの価格が劇的に上がりました。
60万円前後だったライダースジャケットが120万円、ハンティングジャケットに至っても57万円が97万円。
強気の値上げでした。
いままでは、値上げというより為替の変動による価格変更でしたので上がるときもあれば下がるときもあった。
72万円で購入したレザーパンツが60万円台前半になったときは、正直言って損した気分になったものです。
それが、この時期からは値上げ値上げ値上げ、円高になっても値上げ。
それなのに、この時期のクロムハーツは絶好調で、当時の担当スタッフに聞いたところ値上げしたあとも「めちゃくちゃ売れます」と言ってた。
いまから考えれば、ブランドとして変化を追求していった時期なのかなって思います。
新たなデザインと新たな価格
デザインと価格を一新し静かなにクロムハーツが動き出す。
一見ふざけたようなラクガキアートに驚くような価格。
CHROME HEARTS(クロムハーツ)が徐々に進化を遂げ、その実権をも手中に収めだした。
昔からのCHROME HEARTSを知る人たちには衝撃だった。
そう、ユナイテッドアローズとの決別です。
ユナイテッドアローズを切る
かつて、クロムハーツの聖域とまで呼ばれた盛岡のインテレクチュアルギャラリーがそうであったように、ユナイテッドアローズも断罪されてしまった。
ただ、インテレクチュアルギャラリーと違うのはそこに契約があった。
不倫の末の男女関係みたいに僕には見えた。
ちょっと雑談。
若い頃にバイトしていた居酒屋の店長がバイトリーダーと付き合って同棲してた。
奥さんとは別れた様で、奥さんへの慰謝料はその居酒屋の社長が支払ったという。
僕は「店長駄目っすよーっ」と酔っぱらながらいうと店長は「だって好きになってんもん!」と言い、
そこにいたバイトリーダーの女性は顔を紅くして嬉しそうだった。
しかし、僕は違った。
このバイトリーダーは同じことを言われて別れを告げられる。
「だって好きになってんもん!」と・・。
奥さんと子供(娘)がいたのにも関わらず「だって好きになってんもん!」と言い放つ店長の無邪気さは害悪だと感じた20代の僕でした。
その後の二人はどうなったか知らないけど、きっとアローズとクロムハーツのような関係だったと思うに至る。
話はそれた。時を戻そう。
株式を徐々に譲渡し、アローズの支配下から抜け出すCHROME HEARTS。
この瞬間から、僕はなんかアローズの株を持っている意味がわらかなくなった。
一つの時代が終わったと感じた。
CHROME HEARTS今昔物語まとめ
今は昔、CHROME HEARTSがこのような進化と遂げるとはだれも思っちゃいないだろう。
ファンからブーイングが起こりそうなデザインも多数あるが、俺が作ったデザインもそのまま置いている。
昔のクロムハーツが好きなやつらはそっちを買えばいい。
とリチャードは思っているかも知れない。
レザーアイテムの描かれたレタリングやキャラを見ているとレディーガガが「アイラブスモールモンスター」とラクガキしたエルメスのバーキンを思い出す。
そう、いまのCHROME HEARTSはジョークなんだ。
ジョークを真剣にやるから格好良いんだ。
それがいまのCHROME HEARTSなんだ。
おわり。