こんにちは。 CHROME HEARTS(クロムハーツ)というブランドは高額だけど、その修理に関しては一生無料と言い放った代表のリチャード・スターク氏。
その器の大きさと使いまくって壊れても一生無料で直してくれる安心感に魅了され、僕もクロムハーツの高額アイテムを多数手に入れた。
が、しかし、
いざ修理が必要な時期になると何のアナウンスもなくCHROME HEARTS(を運営するユナイテッドアローズ)は修理を有料にした。
さて、このような場合なのですが、企業としてCHROME HEARTS(を運営するユナイテッドアローズ)の対応は正しかったのでしょうか。
これについて我が社の法務博士に聞いてみた。 ちなみに法務博士は法律に詳しい一般人に対してのあだ名ではない。 本物の法務博士です。
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CHROME HEARTSの修理は一生無料だった
CHROME HEARTS が日本に上陸し一世を風靡した1990年代。
高額なシルバーとレザーのアイテムが中心のラグジュアリーブランドですが、ストリート発信で爆発的な人気を誇った。
CHROME HEARTS 代表でもあるリチャード・スタークはクロムハーツのアイテムは高額だが受け継いでいくモノとしては決して高くない。
サイズの直しやメンテナンス(修理)は一生無料だ。 CHRIOME HEARTS写真集のインタビューでも代表のRichardStark氏は語っている。
そうすれば、無料で直す。 確かにクロムハーツは値段が高いけど、それだけの値段を払っても10年経てば、それが高くないことに気付くハズさ。
それから“お下がり”って最近じゃあまり聞かれなくなったけど、子供用のパンツなんか代々、子供たちに譲っていくっていうはき方をしてほしい。
それが、継承っていうものだと思うし、そのなかのひとつにクロムハーツがあれば幸せだよ。
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CHROME HEARTS(クロムハーツ)Richard Stark(リチャード・スターク)インタビュー vo1
1997年に発売されたCHROME HEARTS(クロムハーツ)写真集。 その巻末を飾ったRichard Stark(リ ...
また、販売スタッフ(ユナイテッドアローズ)も、CHROME HEARTSのレザーウエアに破れがあった場合はクロスパッチでの修理は無料。
サイズの直し(大きくする)場合は若干の金額が掛かるが、シルバーパーツに関しては一生無料です。
と謳い販売していた。
販売スタッフの言葉を聞き「高額でもそれだけの価値がある」と判断し
僕は1998年には50万円するウォレットチェーンを買い、1999年には72万円を出してレザーパンツを購入した。
それ以後もどんどんアイテムを増やしていった。
ポイント
CHROME HEARTS無料修理の神対応
「無料で修理」という言葉は嘘ではない。
僕はレザーパンツの解れや破れを無料で直してもらった。
25枚ものクロスパッチを貼ってもらった。
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クロムハーツのレザーパンツに付いたクロスパッチの枚数
クロムハーツの魅力というのはブランドストーリーやデザインだけじゃなくメンテナンスにもある。 使い込んだアイテムが魅力を増 ...
チェーンは2度ほど切れ、クリップ部分のケルティックドックは2度取れたがが全て無料で直してもらった。
鞄の破れもクロスパッチで補修し、取れたボタンも無料で直してくれた。
現在では古いパーツを無くせばその分の価格が請求されるが、昔は取れた古いシルバーパーツとは別に新品のパーツが付けられていた。
しかも、古いパーツも返してくれたのだ。 ので、我が家にはCHROME HEARTSのシルバーパーツが数点ある。
米国CHROME HEARTSの対応は神懸っていた。
しかし、あるときを境に急に修理が有料になったのだ。
CHROME HEARTSの修理が有料となる
有料と分かったのはベルトの修理をお願いしにいったときだった。
CHROME HEARTSの修理というのは商品に保険が掛けられていたので初回は「完全に無料」で2回目以降からは米国への送料2万円が必要だった。
だから、修理に出すときは、全使いまくってボロボロになってから出した方がいい。
とスタッフが忠告してくれたのだ。
僕は使いまくった。
そして、初めての修理にCH大阪へ持ち運んだときのことだった。
このようなやり取りがあり、Sさんの対応で僕は気持ちが収まったが、あの女性スタッフの対応には本当に腹が立った。
入ったばかりのスタッフだから知らないだろうが、君たちの先輩スタッフは皆「一生無料で直せるから高額だけど価値がある」と販売をしていたんだ。
なのに、いざ修理が必要な時期になってから「有料になりました。エヘっ」と言われても納得できない。
なんのアナウンスもなく修理を有料化。
そして社員教育すらしていないと思われる女性スタッフ(今いない)の対応。
大丈夫か?ユナイテッドアローズさんよ。
この場合は法的にどのような見解になるのでしょうか。
ここで僕の会社の法務博士に「CHROME HEARTS修理有料化問題」について法的な見解を聞いてみました。
法務博士の見解
法務博士
法的にどうかって話になると、まず法律としてルールはどうかってことと、次にルールを適用する際にその事実を証明できるかどうかってことは別の話になります。
つまり、サッカーで「ペナルティーエリア内でボールを手で触ったらPKになる」っていうルールがあったとしても、手で触ったという事実を証明できなかったら、PKにはならないってことです。
法務博士
今回の『クロムハーツ側が販売時には、「修理を永年で無料で行う」として販売してて、あとになってから、「やっぱり永年じゃなくて2年以内に限る」に変更した』ってケースを法的に考えると、クロムハーツは、その品物の売買契約時、「修理を無料で行います」っていうことを特約的に付けて、その品物に付加価値を付けて販売しているわけです。
当然、お互いにもその条件を前提にした上で売買している。
だから、クロムハーツ側が一方的にその特約を破棄することはできないと思うんです。
仮に保証書には「修理は2年に限る」と書いてあったとしても、「修理を永年で無料で行う」という特約自体は成立してて、有効なものです。
あえて言いますが、「では、どんな約束でも守らないといけないのか」といえば、「約束といっても合理的な範囲内に限られる」となるので、その期間とかは「永年」とか「一生」とかで言われたとしても、その点は「~年間」とかには読み替えられるのかなぁとは思います。
がしかし、それでも数年間に限られるといったことはないように思います。
なので、クロムハーツ側はそういう約束をした以上、その修理する義務を負うと思います。
法務博士
じゃあ、あとは証明の問題として、その無償の永年修理特約が存在したかどうか、マラドーナの神の手みたいな話になる。
sansaukeさんは、そこを立証する必要があって、sanasukeさんが上に書いてくれた事情などを示し、 「たしかにそういう約束があったじゃないか!」 「永年、一生無料言うからロンワンズで買わずにお前のところで買ったんやんけ」って主張して、それに対して、
クロムハーツ側が、「いやいや、そんな特約は存在しなかった。」 「そんな感じの約束はしたけど、それはそういう保証内容じゃなかったんだ。」
とか反論し、その中で「保証書にある通りに2年だけの約束、もしその後に無料で修理していたとしても、それは単なる善意でやっただけのことで、義務を履行したわけじゃない。」 とか「お前も保証書を貰った時点で2年って書いてるのに、そのときにおかしいって言えよ。何のための書面やねん。」
とかで喧嘩する感じかなと思います。
ポイント
「修理が一生無料と言っていた」ことを僕が証明しなければならない
法務博士
もし、訴訟するなら、弁護士費用としては、着手金何十万円とさらに成功報酬を支払うことになるでしょうし、クロムハーツ側(ユナイテッドアローズ?)はちゃんとした弁護士に頼むでしょう。
勝つか負けるかは分からないけど、絶対に勝てない訴訟っていうわけではないような気がします。
ちなみに、もし裁判で勝ったとしても、この場合の弁護士費用は自分で支払うことになるでしょうから、時間も金もかかります。
控訴されるとなおさら。
ポイント
CHROME HEARTS(クロムハーツ)被害者の会
法務博士
一生無料のサービスが有料に切り替わって話題になっていた段階で、ネーミングはなんでもいいですけど「クロムハーツ被害者の会」的なものを立ち上げて、 みんなで訴えて、社会的な注目とかもそこそこ浴びつつ、実際に色んな店舗で2年のあとも無料修理が行われていたこととか、 そのことについてクロムハーツ側に問い合わせてその回答とかの資料があれば良かったんかなと思います。
愛と憎しみは紙一重って感じです。
どうでも良いのなら何も言わずに離れていくだけさ。
法務博士。業務以外でこんな話をしてくれてありがとう。
CHROME HEARTS がやるべきだったこと
僕が訴訟を提起するしないは別として、顧客のことを考え、筋を通すのであれば修理を有料化する前はしっかりと顧客にアナウンスすべきだし、社員教育もするべきだったと思います。
CHROME HEARTS MAGAZINE(クロムハーツマガジン) vol1では、好き勝手にCHROME HEARTS の事を書くストリートマガジンに対して、本家本元に確認して記事を書くのが本筋だろうと、糾弾していた。
それがだ、本家本元のCHROME HEARTS がが、顧客に対して然るべくアナウンスを怠ったことは僕たちが糾弾すべきことなんじゃないかな。
と思う。
言わなきゃいけないことをしっかり言わず、ブランド側に忖度してニコニコ笑う。
その場を取り繕い空気感だけを気にしても、そこから何も変わらない。
日本人は何も言わない。
だから舐められる。
「正しい」を叫ぶ勇気は必要だと感じる。
あまりにも客を舐めている。 こんな対応されたときにヘラヘラ笑うんじゃなくて真剣に「おまえ俺のこと舐めてんの?舐めてんのかっ!」くらいのことを言わなきゃ。