By: Oliver Hopkins
パクリパクラレはデザインに於いてはよく聞く話ですが、彼らが大切にしていたのは本来の内から出てくるデザインよりも背景の力の方だった。
デザインというのは基本的に相対的なものが非常に大きくて、僕が「イイ」と思っても別の人が見れば「ダサイ」と感じたり、僕が「これはない」と思っても別の人は「いいじゃん」って思う場合が多くある。
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市場を見ずに上司を観る
By: Steve Jurvetson[/caption]
僕も少しだけデザインに関わる仕事をしていて、チームが全員一致でコレっと決めても、部のトップがダメといえばそれまでだし、部のトップがダメと言ったデザインでも社長が「イイ」というとOKになったりする。
デザインを依頼した会社から、いいものが送られてきても、素人の意見を聞き過ぎて最終的に出来上がったものが「なんじゃこりゃ」ってことは間々ある。
市場を見ずに上司の「良い悪い」で全てが 変わってしまうダメな組織の典型的なところ。
コンテキストが背中を押す
By: Barney Moss
デザインの基本的なところを抑えつつ、ある程度美しいデザインが出来上がると、コンテキスト(背景の力)が大きく影響する場合がある。
たとえば昔、ファミリーマートで流行ったエクレアを知っていますか?
「行列が出来る法律なんチャラ」のシマダなんチャラが「コレうまいねん!めちゃめちゃうまいねん!素敵やん」
というとたちまちファミリーマートでは売り切れ続出。
http://gigazine.net/news/20081109_w_cream_eclair/
シマダなんちゃらはナンボ貰ったんやろか??
ある程度の「美味しさ」があれば、世間の波(広告)に乗ってヒット商品が生まれる。というか作られる。
これはもう仕方が無い。
株と同じで皆が上がると思えば上がる。
普通の美味しさでも、皆がめちゃくちゃうまいといえば「めちゃうま」になる。
そこに主観の入る余地は無い。
キーワードは「ある程度」の力
上で出ているデザイナーたちも実力はあったんだと思うよ。
そして実力者たちは自らの実力に「プラス背景の力」を着けさせる方程式を生み出した。いや、昔からあったのか。
いわば基準の無い相対的なデザインに対して、誰にでも分かるアイコンが彼らは欲しい。
それが「賞」だ。
オリンピックのデザインでの大賞であったり、毎日デザイン賞であったり、そういった賞の力に我々は弱い。
良い物に見えてしまう。
実際、実力のあるデザイナーたちだから、「ある程度」のデザインを作り出せる。
そして数々の受賞暦が彼らのバックボーンとなり、素人の眼を誤魔化し、ガッポリ儲けるというビジネスを彼らはしている。
背景の力をつけるのは、背景の奴らだったとう。
これが本当の背景の力。
なんとも笑えない話ではある。
インターネットという世界が広まりデザインにも垣根がなくなった。
拡散する力をヒエラルキーの上位に位置していたデザイナーたちは見縊っていたのかも知れない。
今回のキーワードは「ある程度の力」
ある程度のものがあれば一流でなくても一発屋にはなれる。
でも、一流になるには楽して仕事するのじゃなく、楽しんで仕事をすることを忘れちゃいけない。
上の一流と呼ばれたデザイナーたちに言いたい。
ビジネスをしちゃいけないんだよ。
遊ばなきゃ。
子供の頃、絵を描くの楽しかっただろ?
遊びは夢中に勝てないんだよ。
遊ぶが勝ち。
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