「全然、物足りない。こういうことを言うとせっかく試合を受けてくれた相手に失礼になるけれど、もっとヒリヒリするような試合がしたい。ここ(スーパーフライ)では先が見えない」
こんにちは。
昨年行われた井上尚弥チャンピオンの試合は圧巻でしたね。
世界タイトルマッチにノックアウトで勝ったにも関わらず、勝利者インタビューで笑顔の見せない選手を初めてみた。
判定ではなく、実力の差を見せつけたノックアウトです。
それなのに、神妙な面持ちでインタビューに答えています。
彼の中にあった一つの気持ち。
「つまらない・・・」
つまらないという気持になるのは、試合中に「楽しみたい」あるからこそです。
井上選手の楽しみとは一体、どういったものなのか。
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ボクシングという遊び
井上選手が楽しみにしているもの。
それはスリルです。
スリルを楽しみたいという強い気持ちが彼にはある。
例えて言うなら井上尚弥にとってボクシングは遊びなんです。
これって天才の必須条件です。
努力が努力じゃないんです。
為末大さんの著書にもある「遊ぶ」が勝ちなんです。
井上尚弥選手にとって、努力はスリルを味わうための必須条件なんです。
今回の試合の場合、例えるなら遊園地でジェットコースターと思って乗ったのに、メリーゴーランドだった。
ということじゃないでしょうか。
子供がスリルを味わうために絶叫マシンを選んだつもりが・・アレって感じ。
井上尚弥は対戦相手のレベルを選ぶ。
ただ勝つだけで満足するレベルの選手じゃないということです。
井上尚弥選手のインタビューを聞いたとき、本物のボクサーをここに見ました。
緊張感が心身を高める
井上尚弥選手のいうスリルとは緊張感です。
緊張感は集中力を高め、自分をさらなるステージへと運んでくれる。
井上選手にとって試合とは、ただ相手と殴り合う場所ではなく自分を「更に強くする場所」なんです。
主観的に自らの技術を向上させる瞬間を井上選手は知っているのです。
ひりひりとした感覚の中に身を置くことで研ぎ澄まされる精神と肉体。
洞察を怠ると一瞬で流れが分かるような勝負の中にこそ自分を向上させる起爆剤があることを知っている。
井上尚弥さんは超人なんです。
超人だからこそ、スリルのその先の世界を知っている。
それがフロー体験です。
フロー体験は緊張感を超越した時に味わえる超人の世界観です。
井上尚弥選手は自分を高めてくれる相手としかやりたくない気持ちがあるんでしょう。
井上雄彦さんが描く「バガボンド」で佐々木小次郎が「命のやり取りを出来ない相手に失望する」のと同じです。
ヒリヒリとする緊張感を得るには挑戦者の覚悟に裏打ちされたハートの強さとそれに伴う身体能力が求められる。
そんな張りつめたリングの上で実力以上の力を発揮し相手を倒す「瞬間」に井上尚弥選手は面白みを見出しているのだと思いました。
スリルは恐怖になり得る
天才にとってのスリルは凡人には恐怖になり得る。
よく考えてみれば分かると思いますが、ジェットコースターでスリルを楽しめるのは「絶対的な安心感」があるからです。
もし、ジェットコースターに安全ベルトがなく、しがみついてないと振り落とされるとしたら・・それはスリルを超越し恐怖になる。
井上尚弥選手は殴り合う世界でスリルを感じ試合を楽しめる類稀なるボクサーなんです。
そうモンスター。怪物です。
天才を育てる英才教育
井上尚弥選手は幼い頃から、お父さんの真吾さんがボクシング教えています。
そして驚くことに真吾さんはアマチュアボクシングでは2戦していますが、プロボクシングの経験はありません。
僕が思うに純粋に優れたボクシングを見ることによって、余計な概念を挟まずにボクシングに接することが出来たのではないか。
と思うのです。
「できるまでやること」
「集中してやること」
をモットーに指導をし見事なボクサーを育てました。
また、井上尚弥選手の体質もまたボクシングに向いていたのではないか。と思います。
スポーツの才能を決める筋肉の質とそれを動かす精神力。
二つが揃って初めて一流のアスリートになれる。
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こんにちは。 毎日、鏡の前で筋肉と会話しているsanasukeです。 スポーツに取り組んでいて、自分の「筋肉の質」が気に ...
まとめ
全て僕の想像ですが、まんざら外れてないと思います。
強い相手と戦いたいという気持ちは井上選手の向上心から生まれる感情でしょう。
だからやっていて楽しいのです。
やはり遊ぶが勝ち。